かつての特産品「天草(てんぐさ)」とは
9月18日、天草からところてん作りを開催しました。
天草(てんぐさ)とは、ところてんや寒天の原材料になる海藻です。実は天草という名前の海藻は無く、正式には紅藻類テングサ目テングサ科に属する海藻の総称だそうです。
上海府では、天草採りは昭和中頃まで夏の間の女性の仕事として行われた数少ない産業の一つでした。
最盛期には上海府全体で年間80トンもの収量があり、その後、採りすぎたのか環境の変化なのか出荷できるほどの量が採れなくなり廃れてしまいます。
今では天草採りを経験した方も高齢となり、当時を知る人も少なくなりました。
そうした上海府の伝統を少しでも感じてみようと開催したのが今回のところてん作りです。
作り方はとってもシンプル
ところてん作りは至ってシンプル。
乾燥した天草を洗い、酢を入れて煮込み、濾して冷ますだけ。
天草・水・酢、それぞれの量のバランスもあるけれど、各々のレシピによって差があるようです。
かなりアバウトでも意外と大丈夫みたいで、3班に分かれて調理をしましたが、ずいぶんと水が多くなった鍋でも最終的にはきちんと固まりました。
煮出した汁を布で濾した後は、冷まして冷蔵庫で冷やします。今回はタッパーに入れ、参加者にそのまま持ち帰ってもらいます。
3時間冷やしたものがこちらにあります
一通り作業を終えた後は、あらかじめ用意して固めておいたところてんをみんなで試食。
てんつきでニュルッと出すところが、一番の盛り上がりポイント!と、思っていたのですが、意外とニュルッと出ない…ズッって感じで出ます(伝わるかな…^^;)。
それでも子どもたちも喜んでくれたみたいで良かった。糸状にしたところてんと四角く切ったあんみつも加えて、ヘルシーなおやつの出来上がり!
市販のものと違って薬品臭さが無いと、とても好評でした。市販のところてんは食べられなくてもこれは食べられる、という人も居るようです。
今となっては上海府産の天草はなかなか手に入りませんが、手間をかけて作ったところてんの味は格別でした。
天草を提供してくれた菅原さん、ご参加いいただいた皆様、ありがとうございました!